登場人物 
  学年 名前 特徴 
3年 大樹 3年で一番のチビ。翔太のため拓也への復讐を誓う。 
亮太 元キャプテン。拓也への復讐を誓う。 
昇  元サッカー部員。亮太に従う。 
正志 元サッカー部員。拓也に忠誠を誓う。 
元サッカー部員。拓也に脅される。
裕樹 元サッカー部員。拓也に脅される。 
俊介 元サッカー部員。拓也に脅される。 
亮丞  雄大の従兄弟。母はPTA会長。 
龍司 金髪の不良。鬼畜。 
2年   雄大 拓也を懲らしめるために奔走。 
拓也 全ての黒幕。 
雅人 雄大のクラスメートで拓也の実行部隊。
1年  翔太  1番の被害者で、さらに被害者。 
広大  翔太に付き合って、危険にさらされる。
水道屋 神奈川 雄大の父の部下。翔太と広大を助ける。
 養護教諭 西川  生徒の失禁に利尿剤を疑う

しばらく沈黙が続いた。
初めに口を開いたのは亮太だった。

「金をやるから…拓也をこらしめてくれ。」
その言葉をいかにも待っていたかのように龍司は気分良く、
「オッケー!」
と、答えた。
しかし、大樹は違っていた。


(2人とも間違ってる……確かに拓也のした事は本当に最低だった。
でも、それをしたからと言って、こらしめて良いっていうのは間違ってる。。。
俺だって翔太にひどいことをしてしまった。

でも翔太は許してくれた……もし、拓也が誤ってくれれば許すつもりだけど……
でも、どうしよう?
今、これで反対したら…絶対に龍司が…)


「大樹もそれでいいな?」
「え?」
考えている最中に不意に聞かれたので、声が裏返った。亮太が大樹に同意を求める。

「あ、うん。」
そして、亮太たちは龍司にお金をあげ、別れた。

そして、大樹だけが拓也のことを不安に思っていた。
コレクトさん

〜翌日〜
(さすがにやばいかな・・・でも1年生のお漏らしが見たい・・・)
雅人は授業中トイレに行くふりをして教室を抜け出し、給食室に向かっていた。
彼らの市では給食センターから各小中学校に給食が届けられる。
もうトラックは到着している時間だ。

給食室の中をのぞき見ると、職員のおばさんと目があってしまった。
「ちょっと!何やってるの?まだチャイム鳴ってないでしょ?」
「え・・・あ、ごめんなさい・・・」

(くそー、、、まだこの時間なら誰もいないと思ったのに・・・)
とぼとぼと教室に戻っていく雅人。
彼が昨日自分に失禁させた犯人であるとは知る由もない雄大だが、
難癖つけられることもなくトイレに行っていいと言われた彼を恨めしそうに睨み見る。
それに気づいた雅人だったが、素知らぬふりをした。

その日は雅人は行動を起こせぬまま放課後を迎えた。

「すみませーん」
雄大は保健室のドアをひらいた。
「あら、高橋君。返しに来てくれたのね」
「ええ、まあ」
雄大は洗濯済みのブリーフを手渡した。
「それじゃあ僕はこれで失礼しますね」
再び扉を開けると、偶然にもそこに大樹が立っていた。

「あ、大樹さんも今持ってきたんですか」
「雄大、ちょうどよかった。今日は部活休みだろ?相談に乗ってほしいんだけど・・・。今から俺んちこれる?」
「・・・拓也のことですか?」
「まあ、そういうこと。」
「でしたら、僕の家に来ませんか?大樹さんの家にお邪魔してばかりでは申し訳ないですから」
「本当に?雄大の家って大豪邸そうだなー」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。まあ、軽いおもてなしくらいは致しますよ。
koさん

「ただいまー」
「お帰りなさいませ、おぼっちゃま。あら、お客様がお見えになっているのですか?」
「お、おじゃまします」
「これは失礼しました。どうぞ中へ。すぐに紅茶をお入れいたしますわね」

「・・・誰?」
「お手伝いの霧咲さん。この時間は両親は出ているので、お手伝いさん達しかいないんですよ」
「達って・・・すごいなお前んち」

「どうぞ、ここが僕の部屋です。中まではお手伝いさん達も入ってこないので、自由にくつろいでください」
「うん、ありがとう。・・・ってすごいなお前の部屋!何畳あるんだよ!!」
「45畳です」
「・・・呆れてものも言えないわ・・・」

「それで、拓也がどうしたのですか?」
「うん、実は・・・」

大樹は昨日亮太との下校途中に龍司に遭遇したことを伝えた。
翔太と広大の拉致事件の犯人がサッカー部の3年生3人であることも。
龍司が拓也のスパイとしてその場にいたことも。
拓也に脅迫された3人が昨日自分に利尿剤を飲ませたことも。
用済みにされた龍司が拓也に復讐しようとしていることも。
そして、亮太が意外にも龍司の提案に乗ったことも。

「ねえ、どうしよう雄大!もう俺お前くらいしか頼れるやついないよ!!
亮太が龍司のいいなりになるなんて思ってなかった!!
俺は確かに拓也を憎んでるよ。恥ずかしい写真撮られたり、殴られたりしたし・・・。
でも、こんなのおかしいよ!」

大樹は涙ながらに声を上げて雄大に助けを求めた。

しばしの沈黙の後、雄大が口をひらく。
「僕は・・・拓也がどうなろうと知ったこっちゃないです」
「そんな・・・お前だって龍司のヤバさ知ってるだろ?お前のいとこだってあいつにボコボコにされてただろ!?」
「話は最後まで聞いてください、大樹さん。」
「え?」

「拓也は徹底的に追い詰めてやります。僕の自尊心を踏みにじったことは絶対に許せない。
・・・ですが、拓也に復讐するのは僕だ。金のために何でもするような低級な輩に、そんな真似はさせない。僕が、潰すんです」
「雄大・・・?」

「それに、心配する必要があるのは亮太さんのほうですよ」
「え、亮太?」
「あの人が本当に拓也を攻撃するためにあんな輩に金を払うと思いますか?」
「思わないからお前に相談したんだよ・・・」
「じゃあ、もしその場で亮太さんがそう言わなかったらどうなってたか分かりますか?」
「亮太が龍司に嘘ついた・・・ってことか?」
「そう、恐らくはあなたを守るためのウソですよ」
「!!!・・・もし、そうだとしたら・・・」
「今頃龍司に喧嘩を仕掛けられているかもしれませんね」
「・・・!!!」
「大樹さん、すぐに学校へもどりましょう。亮太さんを見つけるんです」

ネオンさん

大樹と雄大は学校へと戻った。
校門をくぐるが辺りは静まり返っている。

「もう誰もいないよ・・・あの拉致事件でどこの部活も今日は帰宅命令出されてるんだし。
考えすぎだよ、雄大」
「しかし、早いところ亮太さんに真相を聞き出した方がいいのは事実です。
亮太さんが本気であれ嘘をついたのであれ、このままでは亮太さんか拓也のどちらかは、龍司にボコボコにされますよ」
「亮太の携帯に電話しても出なかったしな・・・ん?」
「どうしました?」
「ほらあそこ・・・拓也・・・」

大樹が指差す先には拓也ともう一人別の人物がいた。
二人は見つからないよう、下駄箱の陰に隠れる。

「で、何の用だよ雅人?」
「いやー、あの貰った利尿剤だけどさ・・・中々うまく使いこなせなくてさ」
「で?」
「何とかして給食に混入したいんだけど隙がないんだよね」

雅人の発言に雄大と大樹は衝撃を受ける。
「!!!!!!!!あいつ今何て言った!?」
「給食に混入・・・!?」
「誰だよあれ!?雄大知ってる・・・?」
「僕のクラスの奴ですよ・・・。まさかあいつが・・・僕に利尿剤を与えたのもあいつか・・・!!」

「お前何言ってんだ!?馬鹿じゃねーの!!?そんなことしたら大問題になるだろうが!!」
拓也が吼える。
「んなこと言ったってさ、俺可愛い子が何人もおもらしするとこ見たいんだもん。」
「お前にあげたのは雄大に飲まさせるためなんだよ。他の使い方なんてしなくていいわ!あほか!」
「だってあいつに二回も同じ手通用するわけねーじゃん。俺のクラスに他に俺のタイプの奴いないし」

それを聞いて雄大の表情は凍りつく。
「・・・」
「変態って多いんだな・・・これは同情するわ雄大・・・」

「俺はそんなの協力しねーぞ。てかそんな使い方するなら返せよ!」
「じゃあさ、いくらか金払うからお前の部下に命令してくれよ」
「部下?」
「後輩とかで言うこと聞く奴いるだろ?そいつに頼んでさ、1年の水筒かどっかに混入するの」
「あのなあ・・・!!俺が一番潰したいのはサッカー部の3年なんだよ!
一人昨日漏らしてくれたけど、一番漏らさせたいのは前のキャプテンなんだよ。分かる!?」
「前から思ってたんだけどさ、拓也何でそんなに固執してんの?お前自身はそのバスの事件で漏らしてないんだろ?」

わずかな間だが拓也は沈黙する。
そしてその体感時間は非常に長いもののように、その場にいた全員が感じていた。
雅人の何気ない質問が、拓也の心の奥深くを突き刺したかのようであり、大樹も雄大もそれを感じ取っていた。
そして拓也が声を荒げる。
「・・・うるせーよ!!!
そんなこと、てめーには関係ないし、お前の願望も俺には関係ねーよ!!!
勝手にしろよこの変態!!!!」

そう叫んで拓也は玄関のドアを強く開け、校門の外へ出て行ってしまった。

「一体なんだったんだ・・・?」
呆気にとられた大樹が口をひらく。
「分かりません・・・ただ、あのバスの一件が拓也に心の傷を作ったようですね・・・」
「・・・ごめん」
「拓也は今でも・・・本当は亮太さんのことを尊敬しているのかもしれませんね。
だけど、心に折り合いをつけられないのでしょう・・・」
「・・・」

拓也は駆け足で帰路を歩いていた。その表情は険しい。
(クソ・・・!!あんな奴に余計なこと頼まなきゃよかったぜ・・・。気分悪い・・・!!)
「ちくしょう!!!」
苛々は頂点に達し、道中で立ち止まり、カバンをアスファルトに叩きつける。

「よう、お怒りじゃねえか・・・探したぜ、タ・ク・ヤ・く・ん?」
「あぁ!?」
拓也が振り向くと、金髪を風になびかせながら、龍司がそこに立っていた。


アヨンさん

「龍司か・・・今ムカついてんだよ。何か用か?」
「拓也くんよぉ、もう一度確認するけど、もう俺に頼みたいことはないのか?」
「無いって言ったろ。あの3年の変態3人の写真が手に入った時点で、あんたの役目は終わりだ」
「ふ〜ん・・・。なるほどねえ〜。でもよ、お前が一番腹立ててんのは亮太の奴だろ?
あいつにはまだ復讐とやらできてねえんだろ?」
「亮太にはあんたは関わらなくていい。俺の手で復讐してやる」
「・・・どうやって?」
「・・・あんたには関係のない話だ。もういいだろ、どいてくれ」

そう言って拓也はその場を立ち去ろうとする。
しかし、龍司に回り込まれてしまった。

「何のつもりだ・・・」
「さっきから偉そうじゃねえかよ、ええ?立場をはっきりさせておこうか・・・。
てめーは2年、俺は3年だ。もう俺に出番がないっていうならてめーは俺の雇い主でもねえんだ。
ガキの分際で偉そうにしないでもらえるか?ああ!?」
「・・・すまなかったな。これでいいだろ。どけよ」

拓也がそういうと同時に龍司はニマッと笑った。
そして次の瞬間、龍司の強烈な右ストレートが拓也の腹部を襲った。

「ぐ・・・げほっ・・・てめええ・・・何しやがんだこの野郎!!!!」
ふらふらとよろめく拓也。
だが、続けざまに龍司の攻撃は続いた。
顔面にも強烈な一撃が入る。
「ぐああああああ!!!!!」
拓也は顔を抑えながらアスファルトの上を転げ回った。
手のひらには血が付いているようだ。

「これ以上やられたくなかったら金出せよ。
テメーは俺をこきつかったつもりみてえだが、テメーなんて俺の金ヅルにすぎないんだよ。
俺は金のあるところにしか動かないの。ま、これも、お前の大っきらいな亮太くんの指示なんだけどな!
ヒャハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

龍司は拓也の財布から金を抜き取って、笑いながらその場を立ち去って行った。
「ちくしょう・・・!!!」
泣きながら地面に伏せる拓也。

「拓也!!!」
そこに駆け寄ったのは大樹だった。
「何だよ・・・来んなよ!!
てめーみてえな寝小便くさいガキに同情されたくねえよ!!!
なんなんだよ・・・どいつもこいつも・・・」
「いいから立てよ。大丈夫か。ほら、ハンカチ」
「・・・ガキのくせに・・・!!」

「ほんと、大樹さんには頭が下がりますね。昨日拓也にはあんな目にあわされたところなのに」
「雄大・・・何だよ・・・お漏らしコンビ二人で陰で見てやがったのかよ・・・」
「ええ、ばっちりと。ちゃーんと動画に押さえましたよ、龍司があなたをボコボコにするところ。
今からあいつを施設送りにするよう働きかけます」
「・・・てめーには関係
「関係ある!!拓也、僕はあなたと決着をつけたいのですよ。
あんなサッカー部と関係のない外野に邪魔をされるのは御免です。
彼には・・・引っこんでもらいますよ」


moruoさん




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